成安造形大学 見学・体験授業
高校美術系専攻2年生は高大連携・制作の授業を利用して11月21日(土)に成安造形大学へ訪問させて頂きました。
成安造形大学は琵琶湖が眺められる自然豊かな環境の中、アットホームな雰囲気で芸術を学ぶことができます。今回は美術領域、メディアデザイン領域、イラストレーション領域の授業を体験させていただきました。
また、成安造形大学では11月にセイアンアーツアテンションを開催しており、今回の大学見学では成安造形大学が運営する「キャンパスが美術館」のメイン企画として全てのギャラリーや学内各所を舞台に開催する総合芸術祭が行われていました。総合芸術祭の一部も授業後に見学させて頂きました。
〜体験授業〜
美術・デザイン・映像専攻生
美術領域 日本画コース
~「貝合わせ」をつくろう~
日本画コースでは平安時代から伝わるもの合わせに似た遊び、貝合わせを制作しました。一対の貝殻に、絵柄をアクリル絵の具で描き、銀粉や金粉などを振りかけ仕上げていきます。このような遊びを実際に貴族たちがしていたと考えると更に面白く感じました。また、生徒達は貝殻に絵付けをすることを楽しみながら制作をしていました。昔の遊びの貝合わせに現代的な柄が加わり、とても面白い作品ができました。
美術・デザイン・映像専攻生
メディアデザイン領域 グラフィックデザインコース
~文字を書く(カリグラフィ)~
文字を身体を使って書くことで、どんな風にして文字の形を生み出していくのかを体験しました。まず初めに説明を受け、文字を書く映像からカリグラフィについて学んだ後、実際にカリグラフィ用のペンとインクを使用して文字を書く練習をしてから、自分の名前をローマ字で清書していきました。はじめて使う道具に、生徒達はなかなか慣れない様子でしたが、練習を重ねるにつれ上手く文字を書けるようになっていきました。それぞれ個性のある文字を書いており、楽しみながら挑戦していました。現代ではコンピューターや携帯電話などを使うと文字は簡単に入力、出力できますが、デジタルでは表現できない身体が生み出す線や形を感じることができました。その後、学内展示を案内して頂きました。
イラスト・マンガ・アニメ専攻生
イラストレーション領域 イラストレーションコース
〜漫画・イラスト制作のためのシチュエーションクロッキー〜
今回は、特定の場面を想定してポーズをとっている複数のモデルをクロッキーする「シチュエーションクロッキー」という授業を体験しました。イラスト・マンガ表現において人物単体だけでなく、群像を自在に描けることは、その表現を豊かにする重要なスキルです。実在のモデルのポーズから「何をしているのかが伝わる表現」を目指しました。
「ある人物が歩いている二人を影から覗いている場面」、「刀で切られて吹き飛ばされている場面」など、ユニークなポーズのモデルを囲んで学生さんたちと一緒にクロッキーをしました。描くだけでなくモデルとして生徒たちも参加し、どのようなポーズをとるか相談しながら積極的に授業に関わっていました。同じポーズでもどの角度から描くかによって、人物の感情表現にまで踏み込めたり、迫力を出すことができたりと、実際に見て描くことで生き生きとした表現を学ぶことができました。
この場をお借りして、この日を設けてくださった成安造形大学入試課の方々、ご指導してくださった教授をはじめ、皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。