荘厳の聖母 of 帝塚山学院高等学校TOP

イタリア研修名作NO.6荘厳の聖女」ジョット フィレンツェウフッィチ美術館


「荘厳の聖母」ジョット

 日本ではあまり著名な画家ではありませんが、ウフッチ美術館の第1室の主役を飾るほど、イタリアでは有名です。どうしてかと言えば、彼の存在がなければルネサンスはないと言えるほど、それまでの絵画に劇的な革新をもたらした画家だからです。ジョットの師匠チマブーエは13世紀並ぶものがいない程のフィレンツェの大画家でした。彼は地方での仕事の帰り道、道ばたで地面に絵を描いている少年に出会います。その絵を見たチマブーエはすぐに弟子入りを勧めたと言われています。
 その師匠と同じ題材の「荘厳の聖母」をルネサンスの扉をたたいたとされるジョットは革新します。まず聖母マリアの衣服のひだや膝の膨らみなどが、師匠の線による図式的な表現からリアルな陰影表現へ。顔の表情や陰影、胸の膨らみもリアルです。チマブーエの絵では祭壇横の空間には天使が羅列的に配置されていますが、ジョットではきちんと地面に立った表現へと進化しています。こういった陰影、遠近法、人物の生き生きした豊かな表情がジョットでは革新され、それが後に続くルネサンスの扉を押し開ける事になります。