最後の審判 of 帝塚山学院高等学校TOP

イタリア研修名作NO.3「最後の審判」ミケランジェロ ローマヴァチカン美術館


「最後の審判」ミケランジェロ 1541年 
天井画に劣らぬ気迫をみなぎらせたこの壁画は、すでに60歳を過ぎていた巨匠が8年がかりで、制作日数450日をかけて描きあげたもの。
 修復を終えて鮮やかな色彩が蘇り、劇的構図がいっそう鮮烈になった。
 画面左下の墓から引き上げられた死者は、中央でキリストの裁きを受けて、罪ある者は容赦なく右下の地獄へ落とされ、晩年のミケランジェロの内的葛藤の激しさを物語っている。
 天国に昇るもの、地獄へ落ちる者の400にものぼる巨大な肉体が、激しく渦巻く動きののなかに青白い閃光の走る天空を背に表れる。その表情には、絶望と、至福よりは驚愕が見られる。この「最後の審判」には、ミケランジェロの人間と歴史についての新しいビジョン、さらに芸術的イメージの意味と価値に対する新しい考え方が表わされている。
 様式的には、この壁画はすでに「不安定」を特色とする渾沌としたマニエリズムの世界に入っており、同じ人間が天井に描いた「創世記」に見られる、均衡、比例、調和を特色とするルネッサンス様式を、表現の壮絶さの内に全て否定している。そのルネサンス様式とマニエリズムの対比が興味深い。